ジェネシス(創世記)
王室の財は膨らみ、国家建設は急速に進んだ。その反面、民たちの懐は膨らまなかった。モン国王は宮殿などの建設に民たちを使用し、しかも過酷で劣悪な条件下で従事させた。

国家資金が不足すると、さらに重税を課していた。「知恵」はあっても、民たちからは決して良い国王とは思われなかったことであろう。人権尊重、思いやりに欠けていた。

 この頃からであろうか、モン国王の財宝を隠した地図が「契約の箱」の中に安置されているという、噂が流れだした。

「政府は人民の福利のためにのみ、存在する(マコーレー)」
「人民に憎まれる政府は、永続できず(セネカ)」


「世界には愛する女性がいる。しかし完全なる女性はいない(ユーゴー)」
「二人の女性を和合させるよりも、ヨーロッパ全土を和合させるほうが簡単である(ルイ一四世)」

 モン国王は、近隣諸国の貴族の女性たちを妻にしていた。エジプトのパレを正室に迎えては、三00人近くの女性と快楽にふけっていた。

モン国王は私に言い訳をした。全ては国のために、友好を築くための政略結婚だと説得された。
 
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