ジェネシス(創世記)
リヤは司祭職に疲れ果て、後継者を探すことを決めた。リウマチの持病が、悪化したようだ。リヤは「シャー」という男を選んだ。
シャーは、元暴走族だった。学生時代から、暴れ馬を乗り回しては、仲間とともに奇声を発しながら、夜通し町の中を駆け回っていた。
住民たちの迷惑など、考えることはなかった。万引き、ケンカ、タバコ、ナンパ、カツアゲ(恐喝)、いじめなどシャーにとっては普通の生活だった。
リヤは、大切な書物を分け与えた。シャーを司祭者にするため、相当な時間を要した。嫌々、シャーは修行させられた。
やる気のない若者に、学校を嫌う若者に、教えること自体に無理があった。リヤのリウマチが、ひどくなってきた。
こんな虫けらみたいな人間に、そこまでして教えるだけの価値があるのだろうか。教えることに限界を感じたリヤは、とうとう知人の司祭者たちに、シャーを紹介し頼みこんでしまった。教えることにも疲れ果て、無責任だが途中で投げ出してしまった。
リヤとシャーの別れの日がきた。リヤは生まれ故郷に戻り、妻と狭心症の息子と一緒に余生を過ごすつもりのようだ。
リヤはヨルダン川の支流に着いた。川幅の狭い岸辺にいる。川岸に、丸太で作られた細長い塔が立っている。それは、橋だった。
シャーは、元暴走族だった。学生時代から、暴れ馬を乗り回しては、仲間とともに奇声を発しながら、夜通し町の中を駆け回っていた。
住民たちの迷惑など、考えることはなかった。万引き、ケンカ、タバコ、ナンパ、カツアゲ(恐喝)、いじめなどシャーにとっては普通の生活だった。
リヤは、大切な書物を分け与えた。シャーを司祭者にするため、相当な時間を要した。嫌々、シャーは修行させられた。
やる気のない若者に、学校を嫌う若者に、教えること自体に無理があった。リヤのリウマチが、ひどくなってきた。
こんな虫けらみたいな人間に、そこまでして教えるだけの価値があるのだろうか。教えることに限界を感じたリヤは、とうとう知人の司祭者たちに、シャーを紹介し頼みこんでしまった。教えることにも疲れ果て、無責任だが途中で投げ出してしまった。
リヤとシャーの別れの日がきた。リヤは生まれ故郷に戻り、妻と狭心症の息子と一緒に余生を過ごすつもりのようだ。
リヤはヨルダン川の支流に着いた。川幅の狭い岸辺にいる。川岸に、丸太で作られた細長い塔が立っている。それは、橋だった。