ジェネシス(創世記)
ラエルの技術者たちが作ったものだ。リヤはマントを脱ぎ、一本のレバーに巻いた。そして引いた。木製の歯車が稼動し、塔がゆっくり倒れ出した。向こう岸に先端がついた。
リヤは、シャーに別れのあいさつを交わした後、妻子が乗る馬車に揺られてゆっくりと橋を渡った。
西陽がさすたそがれ時、沈み行く太陽の方角に向かって、リヤは馬車を走らせた。真っ赤に染められた空。
逆光を浴びた馬車は、夕陽に吸い込まれていった。まるで、天に昇って行くようにも見えたことであろう。シャーは、涙ながらに師匠を見送った。
シャーは、マントで巻いたレバーを押し戻した。レバーに布でも巻かないと、手のひらの皮膚を痛めてしまう。
機械仕掛けの橋がまた、そびえる塔のように立ち上がった。唯一の思い出として、そのマントを受け取った。
シャーは別れてから気がついた。暴走族上がりの自分を、熱心に更生させようとしてくれた。父親からも見放されていた。
その恩義に、応えなければならない。シャーは師匠の教えを守り、良き司祭者になることを誓うのであった。
リヤは、シャーに別れのあいさつを交わした後、妻子が乗る馬車に揺られてゆっくりと橋を渡った。
西陽がさすたそがれ時、沈み行く太陽の方角に向かって、リヤは馬車を走らせた。真っ赤に染められた空。
逆光を浴びた馬車は、夕陽に吸い込まれていった。まるで、天に昇って行くようにも見えたことであろう。シャーは、涙ながらに師匠を見送った。
シャーは、マントで巻いたレバーを押し戻した。レバーに布でも巻かないと、手のひらの皮膚を痛めてしまう。
機械仕掛けの橋がまた、そびえる塔のように立ち上がった。唯一の思い出として、そのマントを受け取った。
シャーは別れてから気がついた。暴走族上がりの自分を、熱心に更生させようとしてくれた。父親からも見放されていた。
その恩義に、応えなければならない。シャーは師匠の教えを守り、良き司祭者になることを誓うのであった。