ジェネシス（創世記）
南のユダ王国

　紀元前九二六年、ラエルの国が二つに分裂した。モンの息子ブアムが、南のユダ王国を支配した。ユダ王国は世襲制のため、国王の即位は簡単であった。

北のラエル王国は、国王がコロコロ変わるたびに争いが絶えなかった。しかも両国とも、「主」への信仰心は薄れていくことが多々あった。

　世襲制にも、欠点があった。国王に男性の後継者が生まれなかった場合、どうするべきか、それが問題だった。

ヤス三世は、後継者を選ぶために三つの藩制度を提案した。後継者が不在の時、「シュウ・ミド・オオワリ」の藩から国王を選出させることを決めた。この制度のおかげで、ユダ国は二０代も継続することができた。

　ユダ国の初代国王ブアム。二代目ヨラム、三代目アズ。そして四代目のパテ国王が、「主」への崇拝を高めたおかげで、王国は再び「主」から祝福されるようになった。

　ユダ王国とラエル王国は、長年対立が続いていた。ラエル国王ハブの娘と、ユダ国王ヨラムとの政略結婚によって、両国は親しい間柄となった。和平が戻った。

　四代目の国王、パテの時代、ユダ王国は、パレス系のモアン・アンモン・ウニメの三国の同盟軍と紛争をしていた。

ユダ王国にあるゲデの町が、同盟軍によって制圧されてしまった。さらに大軍を引き連れて、首都エルサレムにまで押し寄せて来た。

パテ国王には、これといった戦術・秘策はない。勝利を得るには、「主」を信じるしかほかになかった。
　

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