ジェネシス(創世記)
 インダス文明、モヘンジョ・ダロ(所在地、パキスタン・インダス川下流域)

 紀元前二000年頃、インダス川流域に「モヘンジョ・ダロ」という都市国家があった。私も現地を訪れて、その遺跡を見学したが、その迫力には圧倒された。周囲の砂が高熱で溶けていた。凝固したガラス質の黒い石が、多数発見された。

 古代インド神話の書物「マハーバーラタ」によると、バーラタ族が戦った様子が描かれている。とてつもない、破壊力をもった武器で、町を一瞬にして壊滅させたのだ。

 ユダ人の科学者によると、祖先たるアトラス人は、人工的な「核分裂」の研究をしていたという。しかし、天然の状態でも核分裂を起こし、まれに爆発することがあるらしい。

 インダス川のある山から、鉱床(岩石中に含まれる、有効に利用できる鉱物の集合体)が発見された。

その鉱石の第一発見者の名にちなんで、「天然ウラン二三五」と名付けられた。二三五とは、五人の発見者たちの年齢を足した数字だ。気まぐれで付けたので、特に深い意味はない。

 五人はその鉱石を、モヘンジョ・ダロの町に持ち帰った。そこへ雨が降り、時期同じくして宇宙から「中性子線」が降り注いだ。

それが臨界点(境界。核分裂の連鎖反応が、一定の割合を維持されている状態)を越えた時、大爆発を起こした。

広範囲にわたって閃光が放たれた。キノコ雲が天高く舞い上がり、爆風が全てを吹き飛ばした。高温・高圧のエネルギーが、一瞬にして人々や町を焼き尽くした。
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