ジェネシス(創世記)
紀元前四六年、それまでのエジプト暦に変えて、ローマのユリウスとエサルによって、「ユリウス暦」が制定された。

紀元五三0年頃、シリアのディオニシュシウスがイゼスの誕生をもって西暦一年と定めようとしたが、全ての年代に無理難題が生じてしまった。

 それを修正すべく、カール大帝(八世紀末)の時代に、正確な「太陽暦」が実施されるように至った。一五八二年には、「グレゴリオ暦(太陽暦)」が採用される。

 ジャポンという国では、明治五年一二月二日の翌日をもって、明治六年(一八七三年)一月一日とされた。「アカシック・レコード」と接触したイゼスは、そんな未来の夢を見たと、言っていた。

 暦が正確に把握できないため少なくとも、イゼスの誕生日が一二月二0日の深夜というのは、憶測に過ぎない。誕生日は、一月上旬だと思われる。

 三人の神官は、東の山奥で修行していた。「ベツレヘムの星」を目撃すると、ゼフとマリーの後を慌てて追った。そして、イゼス・クリストスが誕生した。

「全ての王よ、今や目覚めよ。地を治める者よ、諭しを受けよ(詩編二)」

 馬小屋のそばで、夜通し飲んだくれの羊飼いたちがいた。夏場は本業の羊飼いだが、冬の間は土方仕事などをこなして、生計を立てていた。神官たちは、その羊飼いたちをイゼスの誕生の生き証人と認定した。

「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ(ルカによる福音書二)」
 
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