ジェネシス(創世記)
「あなたは私の大岩、私の砦。御名にふさわしく私を守り導き、隠された網に落ちた私を引き出して下さい(詩編三一)」

 ヨフと弟子たちはイゼスの遺体を白い布に包み、岩穴に運び、大きな石でその入口を封印した。三人のローマの番兵が、その墓の警護にあたった。

 日曜日の朝、弟子たちが公園で集まりイゼスの死を悼んでいた。弟子のペロが、マグダラのアリアに、イゼスの遺体に香油を塗るように依頼した。清めようと考えていたらしい。 

 アリアがその墓を訪れた時、大地震が発生した。岩穴をふさいでいた大きな石が動き、入口が開いた。番兵たちは、イゼスの祟りだと思い逃げ去ってしまった。

アリアだけは、逃げ出さなかった。入口が開いて、アリアは恐る恐る中に入って行った。アリアは目を疑った。その墓の中には、イゼスの遺体がない。どこに消えた? 

 そこへ、一人の男性が駆けつけた。ヨネの議員秘書だ。秘書もまた、イゼスの遺体が消えたことを確認した。戻ってきた番兵も、確認した。

 アリアは慌てて、公園へ戻った。一一人の弟子にその事実を伝えた。弟子たちはアリアの言葉を疑った。弟子たちもお墓に行って、遺体のないことをこの目で確かめた。

イゼスは、本当に復活したのではないか。その奇跡を、弟子たちは信じるしかなかった。

「信じない者ではなく、信じる者になりなさい(ヨハネによる福音書二0)」
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