ジェネシス（創世記）

第十章 結束のとき

第一０章　結束のとき

　最後の預言者マード
「山、マホメットに来らずんば、マホメット山に行かざるべからず（マホメット）」

　紀元五七０年頃、現在のサウジアラビアの「メッカ」という町に、一人の男性が誕生した。「マード」である。

アブーの長男イシの流れをくむ子孫とされる。両親を幼い頃に亡くし、叔父に育てられ、二五歳にして未亡人ハージャ（四０歳）と結婚した。

　マードは商人として、クリストス教徒やユダ教徒とも交流があった。そのため信仰心に目覚めだし、クリストス教徒の司祭者エルから、「神の使徒」にならないかと誘われた。エルは、今の戒律に不満があり、新たな世界を切り開きたかったようだ。

　紀元六一０年頃、マードは「絶対神アラフ」から啓示を受けて、「イラム教」の基礎を作り上げた。イラムとは「服従すること」の意味である。「絶対神アラフ」を崇拝し、その使徒として布教に務めた。

　アラフは永遠で全知全能、公平で慈悲深い唯一の神とされる。イラム教は「旧約聖書」を基本とし、「ラーコン（詠まれるもの）」を聖典としている。考え方としては、ユダもクリストスもイラムも同じ兄弟のような関係と言えるであろう。