ジェネシス(創世記)
政府軍が押し寄せてきても、応戦するだけの軍備力はない。重量が大きくなり、余計な設計と建設に時間をとられてしまう。武器の搭載はあえて、私は拒否した。

 武器を所持しているのは、警備を担当している傭兵二四名たちだ。それも短銃に刀剣に自動小銃、小型ミサイル弾だけだ。

 方舟は完成した。飛行実験も、繰り返し成功している。飛行試験に搭乗していると、幼少期の恐怖が、思い出してしまう。

身震いが止まらない。トラウマ(心的外傷後ストレス障害)が、まだ治癒されていないようだ。

 政府軍は、身長一0メートルもある二足歩行型ロボット、四体を送りこんできた。半径五キロメートル以内で遠隔操作をしているはずだ。さて、どうやって防戦する。

武器はないが、ここは宇宙船を建造する工場だ。科学者が数多くいる。知恵を絞り出せば、単純な破壊兵器くらいは作れる。ただし、物資が不足しているので、使用は必要最小限の範囲内に限られる。
 

< 284 / 375 >

この作品をシェア

pagetop