ジェネシス（創世記）

七つの隕石の衝突で、地球上の気象が激変している。大気が不安定だ。方舟は核融合装置と反重力装置を稼働させた。竜巻が近づいている。急げ、方舟が巻き込まれる。

　政府軍は、特殊車輛を駆ってでた。「電磁波動ミサイル」を搭載している。反重力装置を、無力化するミサイルだ。

これが方舟の上空で爆発すると、強力な「プラス」の磁界が発生する。その結果、宇宙船は落下することになる。私の見た夢が、現実に起きるのか。

　政府軍は、この嵐の中を特殊ヘリ四機で襲撃してきた。違う、あれは最新型のジャイロヘリだ。嵐の中でも、安定した飛行ができる。

　アメリカ系アフリカ人の傭兵一二人が、装甲車三台に飛び乗って、ヘリに立ち向かった。

愛する家族が、方舟に乗っている。乗船を拒否してまで、傭兵たちは戦うことを選んだ。死ぬつもりだ。犠牲になる覚悟だ。乗船している家族たちは、泣き崩れた。

　地上の工場には、五０名ほどの残留組がいる。当選からもれた人たちだ。彼らも、私たちの方舟を死守するために参戦した。

数少ない武器を駆使しての応戦だ。負けは確実に、見えている。それでも、三機の方舟を守るために、戦いに挑んだ。

　メギド時間で「七時」になった。三機の太巻き寿司型の方舟は浮上を始めた。この嵐の中を不安定な状態を保ちながら、浮上している。エンジン音が高鳴った。

イラム教徒のパイロットは、ハンドルを握った。クリストス教徒の機関士たちは、核融合炉装置の出力を上げた。電力量が増大し、消費もされた。竜巻から、間一髪で回避できた。