ジェネシス（創世記）

私は、二つの夢を見た。目覚めが悪い。ひどく汗をかいている。一つは「契約の箱」が、地球の中心部、「内核」にあることを突きとめてしまった。

その「契約の箱」とは、「前世」の地球、前世の宇宙の歴史、記憶が詰まった「種子」だった。

「アカシック・レコード」とは、その箱に詰められた「知識・記憶」を取り出して、人と結ぶ波長帯だった。

この方舟にある「契約の箱」とは、「来世の宇宙」、生まれ変わる宇宙のために存在するのだ。そうだ、科学者の立場を捨てよう。科学者のプライドを捨てれば、この謎を解明できる。

待て、契約の箱は、古いのと新しいのと、二つあるということか。「アカシック・レコード」の波長帯とは、「ｆ分の一ゆらぎ」だ。

意外性と期待性を適度に含み、人体に心地好い感動を付与する、揺れ動く「揺動」のことだ。

　私は今、「アカシック・レコード」と接触できる唯一の逸材だ。その周波数を解読し、コンピューター上に表示できれば、「全宇宙の知識」を所有できる。

　つまり夢ではなく、直接「アカシック・レコード」を通じて、「契約の箱」に詰め込まれた「種子、遺伝子、記憶」を、自由にいつでも好きな時に使用できるということだ。この「絶大なる知識・技術」を、私は欲しい。探究心が、奮い立ってきた。

フフフ。もう、私に「主」など要(い)らない。目に見えない「主」など、必要ない。なぜなら、実体のある私が、「主」を超え、「主」となるからだ。この箱の威力を掌握すれば、私は「神」にも「悪魔」にもなれる。

　私が人類の遺伝子配列を書き換えて、火星に居住できるようにしよう。私こそが、「救世主」だったのだ。ハハハハハ…。