ジェネシス(創世記)
宇宙の誕生から九二億年ほど経(た)つと、銀河が生まれ、その中の一つに太陽が誕生した。

その引力につかまった一二個の惑星によって太陽系が形成され、地球も火星も誕生するように至(いた)った。物語の設定上(せっていじょう)、太陽系には「一二個」の惑星が存在していたことにする。

 原始の地球が誕生した。灼熱(しゃくねつ)の地球に、水を含(ふく)んだ巨大な彗星(すいせい)が尾(お)をひいて現(あらわ)れた。

太陽天文単位、三00~一0万天文単位の間に、「オールトの雲(くも)」がある。彗星の故郷(ふるさと)だ。オランダの天文学者、オールトが発見したものだ。

 ここには、一0兆個もの彗星が存在しているらしい。彗星の尾は、本体にある凍(こお)った水、アンモニア(NH3)、メタン(CH4)、炭酸(たんさん)ガス(二酸化炭素、CO2)などが太陽からの光や圧力によって噴出(ふんしゅつ)し流(なが)れ出(で)たものだ。

 一天文単位とは、太陽と地球との間(あいだ)の距離(きょり)、約一億五000万キロメートルである。

太陽から冥王星(めいおうせい)までの距離は、約三五.九天文単位だ。太陽から一番近い恒星でも、ケンタウルス座のアルファ星で二七万天文単位もある。

 その彗星が、太陽の引力につかまり、最初は火星に衝突し海をもたらした。その後地球にも衝突し、そこでもまた、海をもたらした。
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