ジェネシス(創世記)
地球が誕生してから六億年。地球の大きさは、火星と同じくらいだった。そこへ、直径四00キロメートルの巨大な隕石が、地球に激突(げきとつ)した。

破壊(はかい)されたのは、地表や海面上だけではない。厚(あつ)さ数十キロメートルの地殻(ちかく)にまで達(たっ)した。

「地殻(ちかく)衝突(しょうとつ)」だ。地殻が、数千メートル以上も吹(ふ)き飛(と)んだ。それらの岩石(がんせき)が、大気圏(たいきけん)を突(つ)き抜(ぬ)けた。

 直撃(ちょくげき)を受(う)けた海洋(かいよう)では、一瞬(いっしゅん)にして水蒸気(すいじょうき)となった。

運動エネルギーが、四000~六000度の熱エネルギーに変換(へんかん)された。岩石といえども、一瞬にして気体となってしまった。固体から気体になる現象、「昇華(しょうか)」である。

 地球の全表面を、たった一日で灼熱(しゃくねつ)の炎(ほのお)が覆(おお)いつくした。海は完全に消滅し、大気の中で高温の水蒸気となった。燃え続ける地球は、一000年以上も続いた。

 その後、地球は冷(ひ)えだし、大気(たいき)圏内(けんない)に存在した水蒸気は雨となって降(ふ)り注(そそ)いだ。

雨は二000年以上もかけて降り続け、地表にまた海が作られた。この直系四00キロメートル以上の巨大な隕石は、過去に八回ほど衝突している。

これにより地球は、さらに大きくなっていった。 しかも直径三00~四00キロメートル以下の衝突は、三~一一回も激突した。直径二00キロメートルの隕石では、一0~二0回も衝突したらしい。

 
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