sakura -サクラ-
「それってデートのお誘いじゃん!!好きじゃなきゃ誘わないよー」
…人の話聞こうよ、どいつもこいつも。
「行くの!?」
「まぁ、断る理由もないし」
「その時点で嫌ってはないのよね」
「嫌いなわけないじゃん。いい人だもん」
「じゃあ好き?」
「嫌いの反対が好きとは限らないでしょう」
「もうこの話はいいから!」
興奮して自分のことのようにはしゃぐ菜緒と、机に頬杖ついて笑みを浮かべるつっこ。
私は説明をあきらめてため息を吐き、もらったキャンディーを口に突っ込んだ。
レモン味で、ちょっと酸っぱかった。