sakura -サクラ-
さっきの聞こえてたのかな。
ていうか見られた?
真っ赤(だっただろう)な顔!?
恥ずかしー…。
「あ、あれは私が…」
「うぃー、そんじゃ回収するぞー。後ろから伏せたまま送ってー」
言いかけた私の言葉を先生の大きな声が遮った。
なんか私、タイミング悪…。
ちらっと盗み見た松本君は、何事もなかったかのように後ろから回ってきた調査書に自分の分を重ねて、それを寺島先生へ渡した。
私も同じように渡すと、先生はそれを教卓の上でとんとんと揃え、
「じゃ、今朝のホームルームおしまい」
と言い残して教室を出ていった。