sakura -サクラ-



「おめでとう。って、言いたかったの」

『……』



返事がなくて、不安になる。

なんか私変?

てか別にメールでもよかったよね。

今さらだけど、何してんだ私!!



「ま、まつも…」

『ありがとう』



消えそうな私の声を遮って、いつもと少しだけ違う松本君の声が聞こえた。



『俺バカだな。自分で言わなかったくせに、電話じゃなくて直接聞きたかったなって思ったんだ』

「あ…」



それは、私が考えてたのと同じなのかな。

メールより、電話で。

でもやっぱり、電話より、直接。



松本君。



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