sakura -サクラ-
キーンコーン カーンコーン───
「うし、じゃあ今日はここまでなー」
授業終了のチャイムが鳴って、途端に教室の中が騒がしくなる。
私も例に倣って教科書とノートを閉じ、シャープペンと消しゴムをいそいそとペンケースにしまい込んでいた。
「あ、雨音」
すると、教壇の上の寺島先生から呼ばれた。
「はい」
「放課後、部活の前にちょっと職員室寄ってくれ」
何だろう…特に呼ばれるようなことはしてないつもりなんだけど。
不安に思いながらも、はいと答えるしかなかった。