sakura -サクラ-



キーンコーン カーンコーン───



「うし、じゃあ今日はここまでなー」



授業終了のチャイムが鳴って、途端に教室の中が騒がしくなる。

私も例に倣って教科書とノートを閉じ、シャープペンと消しゴムをいそいそとペンケースにしまい込んでいた。



「あ、雨音」



すると、教壇の上の寺島先生から呼ばれた。



「はい」

「放課後、部活の前にちょっと職員室寄ってくれ」



何だろう…特に呼ばれるようなことはしてないつもりなんだけど。

不安に思いながらも、はいと答えるしかなかった。



< 81 / 83 >

この作品をシェア

pagetop