sakura -サクラ-
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「好きなんじゃん、松本のこと」
「そうとしか聞こえない」
あっさり言ってくれちゃったのはもちろん菜緒で、それにあっさり乗っかるつっこ。
「や…あの…」
「初恋ですね」
「青春ですね」
……どう返せと。
「いいなぁ〜なんかふたりだけの世界って感じ」
「しかし、たった一回のデートでそこまで発展するとは」
「いやぁ月ちゃん、それはホラ、バースデーマジックですよ!!」
「……」
あのー、当事者の私が置いてきぼりなんですけど。