sakura -サクラ-



いわゆる“本の虫”な私だけど、さすがに本を読みながら歩いて電柱にぶつかる、なんてマンガみたいなことは……まぁ無いとは言い切れない。

って、そんなことはどうでもいいんだけどっ。



「コンビニの裏の見通し悪いところで自転車が飛び出してきたの。私は悪くない!」



説明してもなお、まるで打ち合わせたかのように“どーだか”とでも言いたげな顔を並べて見せる二人。



「「どーだか」」



言いやがった。



「失礼な」

「でも大したことなくて良かったね」

「んー…」



確かに怪我がなかったのは良かったんだけど…。



「何かあったの?」



< 9 / 83 >

この作品をシェア

pagetop