蝶々結び
「お前、何でそんなに不機嫌やねんっ!?」


「煩いなぁ……」


「煩いって何やねん!」


「創太の事だよっ!!」


創太にだけは、何でもズケズケと言えてしまう。


学校でも、このくらいの勇気が出ればイイのにな……


「あっ、そうや!」


「どうしたの?」


創太が何かを思い出したように声を上げ、軍手を外した。


「もうすぐ従兄弟が来るねん!だから今日は解散!」


「はっ?」


「後で家(ウチ)来いよ!」


「ちょっとっ……!」


創太はあたしが呼び止めるのも聞かずに、みっちゃんの家に戻った。


まぁいっか……


解散だと言われたあたしも、祖父母の家に戻ってシャワーを浴びた。


汗と泥が流れた体がサラサラになって、気持ちいい。


この瞬間が、すごく好き。


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