蝶々結び
「ここ、母方のばあちゃんの家なんだよ」


上杉先生はそう説明してから、悪戯っぽく笑った。


「起きたな」


「えっ……?」


「ミラクル♪」


そう言った上杉先生が、満面の笑みを見せた。


「あっ……!はいっ!!」


あたしも嬉しくて、自然と笑みが零れた。


「もしもーし!俺をシカトすんなよ!」


あたしと上杉先生の間に立っていた創太が、拗ねた口調で口を挟んだ。


「あっ、悪い……」


先生は、創太の頭をポンポンと叩いた。


「先生と生徒なんや?」


創太はそう訊いて、あたしをじっと見た。


「あ、うん……」


あたしが小さく頷くと、上杉先生がすかさず口を開いた。


「こらこら、ただの先生と生徒じゃねぇぞ!」


「「えっ?」」


あたしと創太は、声を揃えて反応した。


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