蝶々結び
「お前は、生まれた時からこの土地の神様に守られてるんだ♪最強に運が強いって事だと思わないか?」


今までそんな風に言われた事は、一度も無かった。


「その役目を楽しまないでどうする?お前の運を皆に分けてやれ♪」


上杉先生はそう言うと、微笑みながらあたしの頭を優しく撫でた。


何だか無性に嬉しくて、だけどすごくドキドキして…


それを隠すように、無言のまま俯いた。


今まではこの役目を重荷だと感じていたけど、上杉先生の言葉で心が軽くなった。


まるで、ずっと背負っていた重い荷物を下ろしたかのように…。


あたしは俯きながら、顔が緩んでいくのがわかった。


上杉先生に触れられた所が、何だか妙に熱い。


どうしてかな……


あたしの中のさっきまでの気まずさは消え、上杉先生に会えた事を素直に喜んでいた。


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