蝶々結び
みっちゃんの家の前で降ろして貰って、そのまま祖父母の家に戻った。


「おかえり!」


「ただいま。お父さんだけ?」


「うん、皆はまだ畑だよ」


「そっか……」


「後でお祭りのビデオ観るけど、七星も観るか?」


「えっ!?観ないよ!むしろ、観たくない!恥ずかしいもん!」


「そうか……」


「じゃあ、課題するから部屋に行くね」


父と話した後、あたしは母と使っている寝室にこもった。


課題なんて手に付かないけど、一人になりたかったからちょうどいい口実だった。


「もう帰りたいなぁ……」


ここにいれば、上杉先生と創太に頻繁に会う事になる。


だけど…


家に帰れば、創太と会う事は無いし、新学期までは上杉先生にも会わなくて済む。


そう思うと、ここから逃げ出してしまいたかった。


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