蝶々結び
そういえば、創太って寝起き悪かったっけ……


その事を思い出したあたしは、大声で創太を呼んだ。


「創太!」


「……ん〜……?」


「創太ってば!起きて!」


眠そうな声で反応しながら少しだけ目を開いた創太の肩を、軽く揺すった。


「ん〜……もうちょい……」


寝ぼけている彼が、妙に可愛く見える。


「創太〜!七星だけど!」


「うん……?おいで……」


「えっ?」


創太の言葉に驚いて目を見開いた直後、あたしの体はバランスを崩した。


えっ……!?


「…………っ!!」


創太に突然腕を掴まれてしまって、気が付くと彼の体の上に乗っていた。


あたしと創太の顔の距離は、僅か10センチ程…。


硬直したあたしは、声を出す事も彼から離れる事も出来なかった。


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