蝶々結び
どうしよ……


とにかく誤解を解かなきゃっ……!


あたしは、パニックになっている自分を落ち着かせる為に大きく深呼吸をしてから、ゆっくりと口を開いた。


「あのね……あたし、明日帰る事になって……。それを言いに来たら……創太に引っ張られて……あんな体勢に……」


しどろもどろ話しながらさっきの事を思い出して、あたしの顔は益々熱くなってしまった。


「マジ……?」


呆然としたままの創太はそう訊いて、気まずそうにあたしをチラッと見た。


小さく頷いて、彼から視線を逸らす。


「ごめん……。俺、めっちゃ寝ぼけとったわ!ほんまにごめん……」


落ち込んでいるのか、創太の声は少しずつ小さくなっていった。


「ううん……」


あたしは首を横に振りながらそれだけ言った後、気まずさからそのまま黙り込んでしまった。


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