蝶々結び
玄関のドアに手を掛けた時、後ろから創太が来た。


「七星、携帯教えてや!」


「携帯……?」


あたしは振り向いて、創太の顔を見た。


「俺らって、お互いの番号とか知らんやん?」


「うん……」


「だから交換しようや!」


創太は携帯を取り出して、あたしを促した。


あたしも、慌ててポケットから携帯を取り出す。


笑顔で携帯を差し出した創太と、赤外線で番号とアドレスを交換した。


「ほな、また連絡するわ♪」


「うん……」


「何やねん!そんな微妙な顔すんなや!」


「あっ、ごめん……」


「謝らんでええし!余計傷付くっつーの……」


「ごめっ……!」


あたしが謝り掛けた時、創太が笑顔で手を伸ばしてあたしの口を塞いだ。


その事に戸惑いながらも、思わず笑みが零れた。


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