蝶々結び

そんな時、またあたしの気持ちを揺るがすような事件が起きた。


中間テストを終え、心無しか浮かれた雰囲気の教室の片隅で、女子達が騒いでいて…


クラスメイトの視線は、その子達に向けられていた。


「何だか賑やかだね〜！」


「うん、どうしたんだろ……」


後ろを見ながら言った優子に釣られ、あたしも後ろに視線を送った。


騒いでいるのはギャル系グループの女子達で、内容は上杉先生の事みたいだった。


「だからマジだって！あたし、見たんだもん！」


「絶対嘘じゃん！？」


「マジでありえないしっ！！」


「マジで見たんだって！上杉先生が彼女と歩いてたとこ！」


え……？


“上杉先生”と“彼女”……？


一瞬、聞き間違えかと思ったけど…


あたしは、そのまま彼女達の話に耳を傾けた。