蝶々結び
上杉先生への気持ちを封印する為に、あたしは色々な事を徹底し始めた。


生徒会等の事務的な用件の時以外は先生を避け、授業中も必要以上に目を合わせない。


今まで以上に勉強に力を入れ、生徒会の仕事も頑張った。


来年は受験生になると言う事もあって、両親に頼んで予備校に通わせて貰い、出来るだけ勉強に時間を費やした。


地元の有名大学を目標に、家でも必要以上に机に向かう日々。


学校では、生徒会の過去の資料を見直して整理したりと、とにかく毎日動き回っていた。


暇があれば、余計な事を考えてしまって気持ちのやり場に困る。


だけど…


忙しくしていれば、上杉先生の事を考えなくても済む。


現実逃避であったとしても、これがあたしの精一杯のやり方。


夏休みの時からちっとも成長していないけど、今はこうする事しか出来なかった。


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