蝶々結び
「よしよし……。泣きたい時には泣いとけ。人間、心の傷が一番ツライからな……」


上杉先生は、あたしの頭を優しく撫でてくれた。


先生の手から伝わる温もりが、あたしを余計に切なくさせる。


やめて……


優しくしないで……


苦しいのは先生のせいだよ……


心が痛いのは先生のせいだよ……


優しくされたら、もうこの気持ちは抑えられない。


だから……


気付いて……


あたしの気持ち……


「……っ、好き……」


「須藤……?」


「先生が……好きっ……!」


溢れ出したあたしの気持ちは、頬を伝う涙と一緒に静かに零れ落ちた。


先生……


あたしの気持ちは、自分でもどうしようもないくらい切なくて、上杉先生に伝えられずにはいられないくらい苦しかったんだ…。


困らせて、ごめんなさい……


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