蝶々結び
「へっ!?」


マヌケな声を出したあたしは、きっとマヌケな顔をしている。


だけど、いきなりの事にどうすればいいのかわからなくて、アタフタしていた。


「俺の名前、知ってるだろ?」


「はい……」


好きな人の名前だよ……?


知ってるに決まってる……


「じゃあ、呼んでみよ〜♪」


「えっ……?あっ……りょ、りょう……」


「どんだけパニくってんの!?」


戸惑うあたしを見ながらケラケラと笑った上杉先生にムッとして、眉を寄せながら口を開いた。


「先生相手に名前で呼べませんよ!」


「教師と生徒だぞ?バレたらシャレになんねぇよ!俺、ソッコーでクビじゃん?」


あたしの事を楽しそうにからかう上杉先生に、益々ドキドキしてしまう。


あたし、完全に先生にハマッてるよ……


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