蝶々結び
あたしの反応が予想外だったのか、白田君は小さなため息をついた。


「正直、脈アリだと思ってたんですよね……」


彼の寂しそうな声が、やけに生徒会室に響く。


皆が黙ったまま、あたし達の会話を聞いてるからかな……


「ごめんね……」


あたしは俯きながら、小さな声で謝った。


思わせ振りな態度を取ったつもりは無いし、公衆の面前で白田君に断るのは申し訳ない。


だけど…


あたしは、正直な気持ちを話す事にした。


「あたし……今、すごく好きな人がいるから……」


小さな声だったけど、素直な気持ちをゆっくりと口にした。


「……その人と付き合ってるんですか?」


「え……?」


まさか、先生と付き合ってるなんて言えないよ……


どう答えればいいのかわからなくて、黙り込んでしまった。


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