蝶々結び
皆の視線が痛い。


もちろん上杉先生は何も言ってくれないし、自分で何とかするしか無い。


「付き合って……ない……」


この場を乗り切る為に仕方なく言っただけなのに、胸の奥がズキッと痛んだ。


「じゃあ……俺にもチャンスを下さい!」


白田君は、真剣な表情とハッキリとした口調で言った。


どうしたらイイの……?


こんな状態は初めての事で、すごく戸惑ってしまう。


「お前らなぁ……教師の前で青春ごっこするな〜!」


不意に飛んで来た言葉は、上杉先生の発した物だった。


「先生、酷くね!?」


白田君が苦笑すると、それに続いて皆も口を開いた。


「イイ所だったのにさ……」


「本当だよ!もっと見たかった〜!」


だけど…


あたしは、上杉先生が助けてくれた事がすごく嬉しかった。


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