蝶々結び
「そんなの、全然褒め言葉じゃないし……」


「はっ？めっちゃ褒め言葉やで！まぁどうせ七星は納得せぇへんやろうから、この話はもうええわ！」


ふて腐れた言い方をしたあたしに、創太がそう言った。


それから、あたし達は他愛のない話をした。


学校の事や、進路の事…。


取り留めの無い話ばかりだったけど、創太と話していると改めて夏休みなんだと実感する。


今年の夏休みは田舎に行かないけど、あたしは何となく田舎にいるような気分になっていた。


「まぁ元気でやってるんやったら、良かったわ！……ほんで、最近はどうなん？」


「何が？」


不意にそんな事を尋ねて来た創太に、小首を傾げた。


「いや、だから……まぁ、最近は良兄とどうなん……？」


彼は小さな声で煮え切らない訊き方をした後、黙り込んでしまった。


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