蝶々結び
家には帰らずに、上杉先生のアパートに向かった。


先生の家に行った事が無いから、部屋の場所はわからないけど…


アパートに行ってから、一軒ずつ確認すればいい。


大丈夫だよね……?


先生は家にいるよね……?


だって、今朝会ったんだもん……


不安を抱えながらアパートに着いたあたしは、一軒ずつ表札を調べた。


幸い、二階建てのアパートだから部屋の数は少ない。


一階の表札に上杉先生の名前が無い事を確認した後、二階へと続く階段を急いで上がった。


それから、二階の部屋の表札も順番に見て行った。


残ったのは、一番奥の部屋だけ…。


緊張に包まれながら深呼吸をして、その部屋の表札を確認した。


だけど…


【   】


何も書いていない表札を見て、目の前が真っ暗になった。


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