蝶々結び

帰り支度を済ませ、優子と一緒に学校を後にした。


「受験前の時期に修学旅行なんて、うちの学校も変だよね〜！」


「進学校なのにね……」


優子に頷きながら言葉を返して、修学旅行のしおりを開いた。


「７時に学校かぁ〜！起きれるかな……」


横からしおりを覗き込んで不安そうに言った優子に苦笑していると、彼女は意味深に笑って口を開いた。


「七星、明日モーニングコールしてね♪」


「えっ？モーニングコール？」


「じゃあ、よろしくねっ♪ばいばい！」


優子は、あたしの家の前に着くのを見計らったようなタイミングで言った後、すぐに踵を返して立ち去ってしまった。


モーニングコールか……


そう言われると、土壇場で行かない訳にはいかない。


もしかしたら、それが優子の策略だったのかもしれないけど…。