蝶々結び
月日は流れ、2月中旬。
「忘れ物はない?」
「うん」
心配そうな面持ちの母に、笑顔で頷いた。
昨年の夏休みに田舎に行けなかったあたしと母は、卒業前の長期休みを利用して三日間だけ田舎に行く事にした。
仕事が忙しい時期にも拘わらず快く送り出してくれた父に感謝しながら、あたし達は荷物を車に積んで家を出た。
修学旅行以来、あたしはほとんど泣かなくなった。
時間は不思議なくらい残酷で、容赦無く流れていく。
そんな中で、いつの間にか少しずつ笑えるようになっていった。
上杉先生の事はまだ好きだけど、その気持ちを見ないように心の片隅に無理矢理押し込んでいたのかもしれない。
だけど、あたしには理由なんてどうでも良かった。
周りに心配を掛けたくなくて、上杉先生の事を考えないようにしていたから…。
「忘れ物はない?」
「うん」
心配そうな面持ちの母に、笑顔で頷いた。
昨年の夏休みに田舎に行けなかったあたしと母は、卒業前の長期休みを利用して三日間だけ田舎に行く事にした。
仕事が忙しい時期にも拘わらず快く送り出してくれた父に感謝しながら、あたし達は荷物を車に積んで家を出た。
修学旅行以来、あたしはほとんど泣かなくなった。
時間は不思議なくらい残酷で、容赦無く流れていく。
そんな中で、いつの間にか少しずつ笑えるようになっていった。
上杉先生の事はまだ好きだけど、その気持ちを見ないように心の片隅に無理矢理押し込んでいたのかもしれない。
だけど、あたしには理由なんてどうでも良かった。
周りに心配を掛けたくなくて、上杉先生の事を考えないようにしていたから…。