蝶々結び
「……話してみ?」


しばらくして落ち着いたあたしは、創太に促されて今までの出来事を話した。


学校での噂が原因で処分を受け、そのまま上杉先生がいなくなってしまった事を話した時には、何度も言葉に詰まって泣いたりもしたけど…


創太は、最後までずっと黙って聞いていてくれた。


「そっか……。ツラかったな……」


あたしの話が終わると、彼がすごく悲しそうに笑った。


その表情が胸の奥を締め付けて、何だか切なくさせる。


その気持ちを隠しながら深呼吸をした後、ゆっくりと首を横に振った。


さっきまでは、すごく辛かった。


だけど…


創太に話を聞いて貰ったお陰で、心が少しだけラクになった。


「ねぇ、下に行こうよ!皆、変に思ってるかもしれないから!」


必死に笑顔を見せ、彼を促して居間に降りた。


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