向日葵
話が途切れ、3人がもくもくと弁当を食べ始めた時・・
「咲」
廊下から高い女子生徒何人かが雨宮のことを呼んでいた。
「あ、ちょっとごめん」
雨宮がイスから立ち上がり、そそくさと廊下のほうへ出て行った。
俺とミネが一瞬顔を見合わせ、そしてまた弁当を食べ続けた。
しばらくして、雨宮が戻ってきた。
「雨宮、なんだったの」
ミネが聞いた。
「え、んー、別に」
「虐めじゃねーよな?」
ミネが心配そうに声を潜めた。
「なに言ってんの、そんなんじゃないよ。ただ、あんたは男好きだね~って言われただけだよ」
雨宮がイスに腰を下した。
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