向日葵
「男好き?」
「・・うん、鈴木くんと峯田くんと一緒にいるからだって」
「俺たちは全然そんなふうに思ってねえから」
俺が言った。
「鈴木くん・・」
「友達だろ、俺ら」
「・・友達?」
「そう、俺とミネと雨宮は友達」
「鈴木、おめーいいこと言うじゃん!」
ミネが俺の肩を突いた。
「鈴木くん、峯田くん・・ありがとう」
雨宮が嬉しそうな顔をして微笑んだ。

ジュースを買おうと、学校の近くの自動販売機の前に立っていた時、
「鈴木くん!」
と呼ばれた。
「雨宮?」
「ねえ、鈴木くんて、●●駅でしょう。あたしも●●駅だから。駅まで一緒に行かない?」
「ああ、いいよ」
自動販売機に再びコインを入れ、ココアを買った。
そして彼女に手渡した。
「・・あ、ありがと」
今は冬真っ盛りの季節なので、マフラーをしないと凍え死にそうなくらい。
彼女が赤チェックのマフラーを首にぐるぐると巻きつけた姿をとても愛らしく感じた。
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