向日葵
「時給が高いところ、俺が調べておくよ!」
「ほんとに?ありがとう!」
話が一端途切れ、しばらく黙って歩いていると、▽▽駅が見えてきた。
駅で定期を通し、偶然来た電車に乗り込んだ。
席はほとんど空いていたので、2人席に腰を下した。
俺は、彼女の顔が窓に映っているのが見える。
その彼女の顔は、どことなく美少女だった。
窓に映っている彼女と目が合い、俺たちは小さく笑った。
よくわからないけど、俺の胸は高鳴っていた。

数時間後、俺は居間でバイト情報誌を眺めていた。
「なかなか、ねえな。時給が高いところ」
俺が独り言をぶつぶつと言っていると、部屋に居た透子が居間に入ってきた。
「なにやってんのぉ」
彼女が俺が持っているバイト情報誌を覗き込み、ギョッとした顔つきで俺を見た。
「は・・あんたバイトするの!」
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