向日葵
「ただいまっ」
透子が弾んだ声をあげた。
「おっかえりー」
携帯を手にしたまま俺は言った。
スーパーの袋を両手に抱えながら透子が居間に入ってくる。
「今日の夕飯何?」
携帯を閉じ、ポケットにしまった。
ソファに座り直し、テレビを付けた。
「今日はね、めんどくさいからお惣菜買ってきちゃった!コロッケ」
「ふうん。」
「・・あ」
「え?」
透子は冷蔵庫に食べ物を入れている。
「あの子。雨宮・・だっけ。バイトのことは言ったの?」
「うん、言った。今日、帰りに寄ってみるって言ってた」
「そう、じゃあ・・よかったね」
テレビでは報道番組がほとんどだった。
つまらないので俺はテレビを消した。