向日葵
ファーストフード店を後にし、2人は街中を意味もなくぶらぶらと歩いていた。
今日は人通りがいつもより少なかった。
「ゲーセン寄ってこーよ」
街中のゲーセンの前で彼が言う。
「・・は、今はゲーセンってゆー気分じゃねえんだよ」
「ワガママなやっちゃ」
「うっせーよ」
しかし彼がうるさいので、俺は渋々ゲーセンのなかに入って行った。
カーレースゲームを何回かやり、気が済んだところで2人はゲーセンを出た。
「疲れたあ」
ひねくれたようにミネが言う。
「俺もだよ、ゲーセンにつき合わせてよお」
「なんだよ、おまえだって楽しそうにゲームやってたじゃねえか」
俺はふん、と鼻で息を鳴らした。
つきあたりを曲がり、俺たちは街中を出た。
「・・あれ?」
ミネが一歩前に出た。
彼は一直線に走る。
「おい、ミネ?」
彼は、立ち止まり、誰かと話している。
< 31 / 50 >

この作品をシェア

pagetop