向日葵
「かっこいい彼氏じゃん」
ミネが彼氏の顔を見上げながら言った。彼は背が高いのだ。
彼氏は軽く会釈をしている。
「・・ありがとう」
俺はこの場にいたたまれなくなった。
だから・・走り出していた。
ミネたちがいる方向と逆方向に俺は走っていた。
・・なんで?
なんで、俺は走りだした?
なぜ、逃げようとした?
わからない。
「鈴木ー」
ミネが呼んでいる声がするけれど、俺は聞こえてないふりをして走り続けた。
そして辿り着いたのは・・家。
ただいま、も言わずにドアを開け、中に入って行く。
部屋に入り、目に入ったのは携帯。
ベッドの上に転がっている携帯を俺は開いてみる。
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