向日葵
「雨宮がどんな気持ちだったか知ってるのか?」
「・・さあ」
「大丈夫かなって、風邪ひいたのかなって、何度も心配そうに言ってたんだよ・・ッ」
俺は一瞬雨宮と目が合う。
彼女は席に座っている。
「・・・・」
ちょうどその時、チャイムが鳴ったのでみんなは席につき始めた。
ミネは上から俺を睨みつけ、席に着いた。
3時限目まで、雨宮のこととミネのことがずっと気にかかっていた。
4時限目からは考えているのが面倒になり、気にせずに授業に没頭した。
「・・・・す、ずきくん・・峯田くん・・」
昼休み、弁当を胸に抱え、気まずそうに雨宮が俺のもとへ駆け足で寄ってくる。
3人の間にしばらく沈黙があった。
「お弁当・・一緒に食べない」
彼女はニコリと笑顔を見せたが、誰も返答をしない。
「あ・・ダメかなぁ・・」
「俺、ほかのやつらと食べるから」
ミネが席から立ち上がり、どこかへ去って行った。
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