向日葵
彼女は走りだし、またもやどこかへ消え去った。
「・・俺が悪いのかよ、なんでも」
ひとりで不貞腐れ、昼食も喉を通らなかった。
結局帰りもひとりで帰り、家でも透子と一切話さなかった。
透子も、なんだか不貞腐れた顔をしている。
「なんかあった?」
居間中に響く声で俺は言った。
夕飯のカレーを食べているとき、透子は驚いたのかスプーンを滑らせた。
「・・なんで?それ、あたしのセリフ・・」
「俺のことは・・いいから。姉ちゃんは?」
「・・・・彼氏に振られたの。あいつ、浮気してたみたい・・最悪だよね」
「別れた・・の?」
「まぁねー。別にあんな奴、別れてせいせいしたって感じ?あははは・・」
テーブルにあるものが零れ落ちた。
透子の・・涙。
「・・あれ?なんでだろぉ・・?なんで涙なんか・・・・出てくるのよ・・・・。おかしいよ・・・・」
透子の目からは溢れんばかりの涙がぽろぽろと零れ落ちた。
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