向日葵
「おまえには、関係ないだろ」
「関係ないけど・・でも知りたいもん」
「遊び半分でやるな、ガキ」
「潤のほうがガキでしょっ、バカ」
俺はドアを開け、ゆかりの言葉を遮るようにして教室に入って行った。
ゆかりとはクラスが別なので、幼なじみとはいえ学校以外では全く関わりがない。
幼いころはしょっちゅう遊んでいたけれど――。
それにしてもなんで、俺は高校生になってまで女子に責められなきゃならねえんだ。
「・・す鈴木くん」
昼休みになり、購買にいこうとしたとき、俺は福山に呼び止められた。
「なんだよ」
立ち止まり、苛立ち気味に言った。
「昨日は・・ごめん。言いすぎた・・」
俺は黙っていた。
「あんなこと言うつもりじゃなかったんだけど・・」
彼女は続けた。
「鈴木くん、ほんとにごめんなさい。本とか投げつけたりして。許してくれる?」
彼女が顔を上げた。
「別にいいけど、あの時福山は何が言いたかったの」
「・・え、・・ちょっと」
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