向日葵
ガリに、「あれ、今日は3人じゃないのかあ?」と言われた。
ガリはいつものように電車の中で立ちながら本を読んでいる。
ほとんど、ガリとも時間帯が一緒だから、ミネと雨宮と一緒に学校に来ていることはおそらく知っていたのだろう。
俺は、「今日は時間が違うんだ。」と不貞腐れながら言った。
教室に入ると、雨宮が居なかった。
いつもなら席に座って本なんかを読んでいたりするのに、と思った。
ミネは俺の後ろの席に座り、数学の教科書を広げている。
なんとなく行きにくかったが、ミネの前の席に腰を下した。
「・・よぅ」
勇気を出していってみるが、返答がない。
「・・ミネ」
彼が怒っているのはわかっているのだが、なんとなく返事をしてもらいたかった。
後ろに振り向き、下を向き教科書を読んでいる彼の顔を覗く。
「・・はよ」
一瞬顔をあげ、俺に言った。
そしてすぐに教科書を読み続ける。
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