向日葵

俺がボールを蹴りあげたとき、ちょうど山田の頭に当たった。
山田はこっちを見て、いってえよ、何すんだよ。という顔で俺を見た。
俺は手を合わせ、すまないすまない、と心の中で言った。
山田は身をひるがえして、向こうに去って行った。
「あ~だるかったぁ」
ミネが頭をポリポリとかきながらこっちに向かってきた。
「久保になんか言われたん?・・どんまい」
俺がリフティングをしながら言った。
「あぁ、さっきおまえと話してたこととかさ、色々」
「ふうん、お疲れ」

「おっかえりぃ♪」
俺が家のドアを勢いよく開けた時、透子が元気よく居間から言った。
「・・ただいま。あれ、母さんは?」
居間に入り、辺りを見渡すが、母の真紀子が居ない。
「・・うん、さっきから居ないの。どこ行ってるのかな・・」
透子がコップにジュースを注ぎながら言った。
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