Wrath~止まらない怒り~



その夜
眠れなかった。



不意に手紙が目に入り
手に取った。


読むのが
怖かった筈なのに…



手紙の封を切って
開き目を通した。



___________
赤馬へ

この手紙をお前が
読む時には、父さんは
もう生きてないだろう。
父さんのせいで
お前や母さんに迷惑を
掛けているだろう。
本当にすまない。
言い訳なんて男らしく
ないと思うが父さん
病気で、もう長くないと
医者に宣告されたんだ。
末期の胃癌で家には
入院は疎か手術する
お金もなかったし
友達の連帯保証人に
なって多額の借金も
抱えていた。
だから父さんは少しでも
お前達に苦労を
させたくなかったから
父さんはこの道を
選択した。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄





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