カミヒコウキ、トオクマデ。
夏の顔が真っ赤だった。
私の顔も真っ赤だった。

「えと・・・佐奈ちゃんが海のこと、好きなことは知ってるよ。だから利用していいよ、オレのこと」

リヨウシテイイョ、オレノコト。
優しいと思った。
利用してでも
海を忘れたかった。
私、最低かな??
だって海には
彼女がいるんだ。
でも、ね。
無責任な大丈夫を
夏のことを
信じたいって思った。

それでも
受け入れちゃダメ。

そんな気がした。


「オレね、
この返事いつでも
いいよ。
さすがに10年後までは
保証できないけど」

私の何かを読み取った彼はそう言って笑った。
なんだか淋しげに笑った。
< 18 / 20 >

この作品をシェア

pagetop